『 年頭に当たって 』~ 一隅を照らす ~
すぎのこ会会長 岩崎 俊雄
新年明けましておめでとうございます。昨年は、コロナ感染症の再拡大に伴う対応等で、利用者、保護者をはじめ関係する皆さまに多大のご心配とご協力を賜りました。加えて、任期途中の理事長交代人事にご理解を頂きましたことに対しまして、改めて、心よりお礼申し上げます。
このような状況の中にありましたが、「ひのきの杜共生」と「愛晃の杜」の改修工事を完了させ、延び延びになっていた「すぎのこ」の増改築工事に着手することができました。「すぎのこ」増改築工事の完了まで、工事期間中ご不便をおかけすることになるものと思いますが、より快適な生活、活動を送ることができるよう、ご協力をお願いいたします。
また、昨年は、個人事を含めてではありますが、故岩崎房一郎初代理事長の33回忌の法要を執り行い、繰り出し位牌に納めることができました。これを機に、これまで初代理事長についてお話しする機会がありませんでしたので、郷土史に詳しい方が書かれた故人に関する紹介記事の一部を転載させていただくことにします。
・・・氏は、代々農業を経営して繁栄を続ける岩崎家の長男として大正9年10月15日に生まれ、郷校から旧制栃木中学校に進んで勉学を続けた。卒業後は家業に従事していたが、昭和16年2月に第835部隊に入隊、その後満州派遣となり付近の警備に当たった。大東亜戦争勃発後は中支に転属となり、昭和20年8月15日に応城で終戦となる。抑留を経て、翌21年6月に上海から佐世保港に上陸して復員、陸軍伍長。戦後は農業に従事する傍ら、岩舟町議会議員2期、同議会副議長、農協理事、農業共済組合監事、PTA副会長、区長等として地域活動に率先している。・・・
その後、昭和50年6月24日、社会福祉法人すぎのこ会設立時の初代理事長に就任し、本会最初の施設「すぎのこ学園」の敷地及び設立時の基本金の提供等平成2年11月18日に没するまで、無報酬理事長として本会発展のために尽力いただきました。本会に対する故人の功績に、改めて敬意と感謝の意を表するとともに、冥福を祈る次第です。
ところで、恒例となった新年を祝う今年の我が家の掛け軸の一幅は、京都大原三千院の元御門主、故小堀光詮大僧正様から頂いた、天台宗御開祖である伝教大師最澄の教えである『照千一隅』としました。この教えは本会の慰霊碑の碑文としても刻印させていただいていますが、理事長を辞任し、会長として初めて迎えた新年に当たり、改めて『人の命と人権を護る』ため、一隅を照らし続けたいと心に念じておりますので、本年も皆様の変わらぬご指導、ご支援を賜ります様お願いし、新年のご挨拶とさせて頂きます。